バイオシミラーの適応症

先行バイオ医薬品の適応症の外挿

先行バイオ医薬品が複数の効能・効果を有する場合、ある効能・効果において先行バイオ医薬品との同等性が示され、他の効能・効果においても薬理学的に同様の作用が期待されることが説明できれば、先行バイオ医薬品が承認を取得している効能・効果をバイオシミラーに外挿できる場合があります(表1)。異なる作用機序による適応症に関しては、個別の臨床試験データの取得が必要です。

インフリキシマブBS点滴静注用
100mg「NK」の例

関節リウマチ、クローン病、潰瘍性大腸炎の発症機序に関しては、細胞レベルおよび分子レベルでの研究の結果から、これらの炎症性免疫疾患は、TNFα が関与する基礎的な機序を共有していると考えられています。

抗TNFα モノクローナル抗体の作用機序に関わる生物活性に関して、インフリキシマブBS点滴静注用100mg「NK」と標準製剤との同等性が示され、関節リウマチ患者を対象とした国内第Ⅰ/Ⅱ相および海外第Ⅲ相試験において、薬物動態と有効性に関する標準製剤との同等性が示され、安全性においても、標準製剤と同様な忍容性であることが確認されました。その結果、先行バイオ医薬品の効能・効果のうち、承認申請の時点(2014年)で再審査が終了していた関節リウマチ、クローン病、潰瘍性大腸炎について、適応が認められ、その後、2016年乾癬が適応になりました。さらに、2020年4月にベーチェット病による難治性網膜ぶどう膜炎、同年10月に強直性脊椎炎の適応が追加になりました。(下記参照)

インフリキシマブBS 点滴静注用
100mg「NK」の効能又は効果

既存治療で効果不十分な下記疾患

  • 関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)
  • ベーチェット病による難治性網膜ぶどう膜炎
  • 尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症
  • 強直性脊椎炎

次のいずれかの状態を示すクローン病の治療及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)

  • 中等度から重度の活動期にある患者
  • 外瘻を有する患者

中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療(既存治療で効果不十分な場合に限る)

2024年7月更新

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