同等性/同質性について

「同等性/同質性」は、一般に馴染みのない言葉ですが、comparabilityの和訳で「品質の類似性が高く、品質に何らかの差異があっても安全性・有効性に影響を及ぼさないこと」を意味します。高分子で構造が複雑なバイオ医薬品は、たとえ同じ製造業者が製造しても、製造工程が変われば品質に微妙な変化が生じます。そこで、バイオ医薬品の製法変更前後での品質評価のためのガイドラインICH Q5E*(2005年通知)が定められ、製法変更が品質・安全性・有効性に対して有害な影響を及ぼさないことを立証する方法を示しています。この考え方が、バイオシミラーの評価においても用いられます。

バイオシミラーの同等/同質の概念

  • 先行バイオ医薬品に対し、品質特性において類似性が高い
  • 品質特性に何らかの差異があっても、最終製品の安全性や有効性に有害な影響が無いと科学的に判断される
  • 臨床試験のデータを含め、安全性・有効性が先行バイオ医薬品と同等/同質であることを証明する

* ICHとは、International Conference on Harmonisation of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use(日米EU 医薬品規制調和国際会議)の略称です。ICH ガイドラインは、医薬品の承認に際して必要な品質・安全性・有効性にかかわるデータ収集等についての標準的評価方法を示したものです。その中のQ5E は、生物薬品の製造工程の変更に伴う同等性/同質性評価について規定しています。

2024年7月更新

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