早わかりバイオシミラー

患者様向け資材「知っておきたいバイオシミラーのはなし」を元に、バイオシミラーの概要をわかりやすくまとめました。

バイオシミラーというお薬があります。

科学技術の発展で、医薬品の開発は大きく進歩しました。とくにバイオ医薬品と呼ばれるお薬の登場は、様々な病気の治療法を大きく変えてきました。日本では、1990年代後半から使われるようになりました。

一方で、バイオ医薬品は開発や製造にコストがかかり、医療費が高額になってしまいます。そのため、患者さんや社会全体の経済的負担が大きいことが問題になっています。

このような状況の中、登場したのが「バイオシミラー」というお薬です。バイオシミラーは、特許が切れたバイオ医薬品を対象に開発されます。この点は、ジェネリック医薬品と一緒であり、薬価は低く抑えられます。その一方で、効果や安全性は新薬と同じように実際の臨床試験などで確認されています。

バイオ医薬品による治療にバイオシミラーが選択肢として加わったことは、患者さんにとって朗報といえるでしょう。この冊子では、バイオシミラーとはどんなお薬かを、わかりやすく解説していきます。

※厚生労働省が決めるお薬の公定価格

バイオ医薬品とは?

バイオ技術で作られた有効成分がタンパク質由来のお薬

バイオ医薬品は、高度なバイオ技術を応用して細胞などを使って最新の専用設備で製造されます。

治療を大きく進歩させた治療効果

バイオ医薬品が治療薬として登場したことにより、様々な病気で治療法が進歩しました。これまで治療が困難だった病気の治療に貢献するお薬です。

バイオシミラーとは?

新薬の特許が切れてから別の会社で製造販売される医薬品を後発薬と言います。そのなかで、バイオ医薬品の後発薬をバイオシミラー(バイオ後続品)、それ以外の後発薬をジェネリック医薬品(後発医薬品)と言います。

バイオシミラーは、高度なバイオ技術を用いるので、製造工程が多くとても複雑です。そのため、ジェネリック医薬品よりも多くの試験を行うことが必要とされます。

後発薬

新薬の特許が切れてから
別の会社で販売される医薬品

バイオシミラー(バイオ後続品)

バイオ医薬品のジェネリックで、先行バイオ医薬品と
同じように使えることが確認されています

ジェネリック医薬品(後発医薬品)

効果と安全性をしっかり確認

バイオシミラーの発売前には、効果と安全性が先行品と同じであることを証明するために、実際の患者さんを対象とした臨床試験を行っています。

最初からバイオシミラーを使う場合と、すでに先行品を使っていて途中から切り替える場合があります。

効果と安全性が先行品と同じ

※新薬として発売されたバイオ医薬品を先行バイオ医薬品、略して先行品と言います

経済性というもうひとつの選択肢
〜バイオシミラーが登場した理由〜

バイオシミラーの価格は、新薬として発売された同じ成分のバイオ医薬品(先行品)の価格の原則70%で算定されるというルールがあります

※平成26年2月12日 厚生労働省保険局長通知第7号

バイオ医薬品は治療効果の高いお薬です。しかしながら、医療費が高くなってしまうのも事実です。
経済性に目を向けたとき、バイオシミラーは選択肢のひとつになります。

国民医療費の削減

日本の国民医療費は年々増加し、平成29年度には43兆円を超えました。国民一人当たりに換算すると、年間でおよそ34万円の医療費が支払われています。

そのため、厚生労働省は、医療保険財政の改善などのために後発薬の普及を推進しています。

バイオシミラーは、患者さんの負担軽減だけでなく、国民医療費の削減にも貢献することが期待されています。

<参考>
令和3(2021)年度 国民医療費の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/21/index.html

このページは、患者様向け資材「知っておきたいバイオシミラーのはなし」を元に作成しています。資材をご要望の方は、患者様資材の請求・ダウンロード(会員限定)にて閲覧・注文することができます。

2024年7月更新

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