バイオシミラーと
ジェネリック医薬品の違い

定義から製品特性、製法まで様々な違いがあります。

バイオシミラーがジェネリック医薬品(後発医薬品)と大きく異なる点は、分子量が大きく構造が複雑であることからバイオシミラーでは先行バイオ医薬品との同一性を示すことが困難なことです。そのため、品質、安全性、有効性において、先行バイオ医薬品との同等性/同質性を検証することが求められます。従って、承認申請において、ジェネリック医薬品では「生物学的同等性」が示されればよいのに対し、バイオシミラーは新薬に準ずる申請資料の提出が要求されます。バイオシミラーでは免疫原性等に注意する必要があるため、製造販売後に安全性に関する調査を行う必要があります。また、バイオシミラーの薬価は、先行バイオ医薬品の70%が基本となりますが、臨床試験を実施した実績等を踏まえて10%までの上乗せが認められる可能性があります。バイオシミラーとジェネリック医薬品の主な相違点を表にまとめました。

バイオシミラー
(バイオ後続品)
ジェネリック医薬品
(後発医薬品)
定義
  • 先行バイオ医薬品と同等/同質の品質、安全性および有効性を有する
  • 先発医薬品と同一の有効成分を同一量含み、同一経路から投与する製剤で、効能・効果、用法・用量が原則的に同一であり、先発医薬品と同等の臨床効果・作用が得られる
分子量
  • 高分子化合物[1万~(ホルモン)、10万~(抗体)]
  • 低分子化合物(100~)
製造
  • 細胞培養技術による製造
  • 化学合成
生産
  • 不安定(微生物や細胞の状態によって生産物が変わりうる)
  • 安定
開発要件
  • 厳格な品質試験で、物理化学的特性、生物学的特性が同一であることを証明
  • 非臨床試験、薬物動態・薬力学(PK/PD)、臨床試験により先行バイオ医薬品と臨床的な差異がないことを確認
  • 市販後安全性調査による安全性の確認
  • 生物学的同等性試験
    (静脈内投与製剤では不要)
薬価
  • 先行バイオ医薬品の70%
  • 臨床試験が必要なことから10%を上限とした上乗せが相談事項として認められている

*先行品バイオ医薬品の補正加算の有無により70%未満になる場合があります。

新規収載後発医薬品が初めて収載される場合
  • 先発医薬品の50%
  • 内用薬で10品目を超える場合は40%
  • 既収載の後発品の薬価は別途定められている
    (平成29年10月現在)

宮坂 信之. リウマチ科,61(1): 1-4, 2019.より一部改変

2024年7月更新

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