抗がん薬調製マニュアル
ーミキシングの実際ー
第3版作成(2017年3月時点)
●監修: | 埼玉県立がんセンター 薬剤部長 | 中村益美 先生 |
埼玉県立がんセンター 薬剤部 副技師長 | 中山季昭 先生 | |
●手技実演: | 埼玉県立がんセンター 薬剤部 | 齊藤こずも 先生 |
第4版改定(2023年12月時点)
●監修: | 埼玉県立がんセンター 薬剤部 副部長 | 中山季昭 先生 |
抗がん薬の調製には、注射用抗がん薬の基本的調製手順が必要です。
患者さんへの安全性を担保するリスクマネジメントを勘案した正確な調製と調製作業者や周囲への、労災対策を踏まえた安全な調製が重要となり、薬剤によっては、特殊な調製手技などが必要となります。
この動画は、抗がん薬を取り扱う上で重要な調剤技術を実践的に習得していただけるよう制作いたしました。
抗がん薬調製の手順を資材の準備から使用後の廃棄方法まで含めて詳しく解説しています。(2023年12月改訂)
内容のご紹介
【第1章】 作業準備
安全に確実に、抗がん薬を調製するために必要な準備として、準備する器具から個人防護具の装着法、安全キャビネットの稼働準備まで、実技で示し解説しています。
- 1-1 準備する資材とその使用法
- 1-2 シリンジ 注射針の選択
- 1-3 安全キャビネットの作業準備
- 1-4 シリンジ 注射針の組み立て
【第2章】 溶解液採取
溶解液もしくは希釈液を採取する際の注意点として、バイアルのゴム栓に複数回針刺しをする場合やコアリングの発生を防止するための針刺し方法等を、詳細に解説しています。
- 2-1 溶解液または希釈液の準備
- 2-2 バイアルのゴム栓部分の消毒
- 2-3 シリンジにエアーを入れる
- 2-4 バイアルからシリンジに溶解液を抜き取る
【第3章】 バイアル製品の取扱い
バイアルへ溶解液を注入時の注意点として、曝露、リキャップの際の針刺し事故等の防止法について解説しています。また、バイアルからの薬液採取の際に注意すべきエアロゾル発生を防止するための手順についても詳細に解説しています。
- 3-1 バイアルへの溶解液注入
- 3-2 バイアル入り薬剤の溶解
- 3-3 バイアルからの薬液採取
【第4章】 薬液量確認・希釈
シリンジを用いて、正確に薬液を計量するためには気泡や余分なエアーを排出しなくてはなりません。その後、希釈指示がある薬液は輸液に注入しますが、その際に注意すべき点や針を抜く際には漏出防止のためにエアーを吸引する等の解説をしています。
- 4-1 薬液量確認
- 4-2 薬液希釈
【第5章】 インフューザーポンプの調製法
インフューザーポンプを用いて抗がん薬を調製する際の手順と注意点について解説しています。
- 5-1 インフューザーポンプの用意
- 5-2 その他調製に必要な薬剤・器具の準備
- 5-3 希釈液の一部を充填
- 5-4 希釈液を投与チューブ内に満たす
- 5-5 抗がん薬を充填
- 5-6 残りの希釈液を充填
- 5-7 抗がん薬と希釈液を混和
- 5-8 調製終了
【第6章】 作業終了
抗がん薬の調製が終了したら、薬剤と処方箋を再確認します。その後、使用済み器具を専用容器に廃棄し、安全キャビネットを清掃します。その際に注意すべき抗がん薬の除去と拡散防止を目的にした清掃、装備具の始末について解説しています。
- 6-1 調製終了後、薬剤と処方箋を再確認
- 6-2 薬剤の搬送
- 6-3 調製に使用した器具の処理
- 6-4 安全キャビネットの清掃
- 6-5 防護具の後始末
補遺 特殊な調製手技
1 非水注射液の調製
抗がん薬調製時、注射針に塗布されたシリコーン油由来の不溶物の発生を防止する方法について説明しています。
2 陰圧バイアルの取り扱い方
あらかじめ内部が強めの陰圧になっている陰圧バイアルのメリットとその取扱いについて説明しています。
2023年12月更新