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2022年度診療報酬改定

地域における薬局のかかりつけ機能の評価

 服薬管理指導料の特例を新設

POINT

かかりつけ薬剤師指導料などを算定する患者に対して、かかりつけ薬剤師以外の薬剤師が、かかりつけ薬剤師と連携して必要な指導等を実施した場合の特例的な評価を新設した。

  • (新)服薬管理指導料の特例
  • (かかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師が連携した場合)59点

かかりつけ薬剤師以外の薬剤師が、かかりつけ薬剤師と連携して必要な指導等を実施した場合の特例的な評価として「服薬管理指導料の特例(かかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師が対応した場合)」(59点)を新設した。当該保険薬局における直近の調剤において、かかりつけ薬剤師指導料またはかかりつけ薬剤師包括管理料を算定した患者が対象となっている。

やむを得ない事情により、当該患者の同意を得て、指導料または管理料の算定に係る保険薬剤師と、当該保険薬剤師の所属する保険薬局の他の保険薬剤師(厚生労働大臣が定める者)が連携して、指導などを行った場合、処方箋受付1回につき、算定できるようにした。

「かかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師」の要件については、「保険薬剤師として3年以上の薬局勤務経験があること。なお、保険医療機関の薬剤師としての勤務経験を1年以上有する場合、1年を上限として保険薬剤師としての勤務経験の期間に含めることができる」、「当該保険薬局に継続して1年以上在籍していること」を満たす必要がある。

 薬剤の一元的な把握推進の方策、中医協総会の論点に

かかりつけ薬剤師・薬局の推進を巡っては、2021年10月22日に開かれた中央社会保険医療協議会の総会で、厚生労働省が論点などを示していた。通常かかりつけ薬剤師指導料を算定している患者にかかりつけ薬剤師以外が対応する場合があると回答した薬局は全体の約61.8%であり、「薬歴で申し送り事項が共有されている」や「服薬指導結果をかかりつけ薬剤師に報告する」という体制をとっている薬局が多かったことなどを挙げ、「薬剤情報の一元的な把握による薬学的管理の評価について、どのように考えるか。」

薬局における対人業務の充実

 糖尿病薬適正使用推進で調剤後薬剤管理指導加算の評価見直す

改定前 改定後

【薬剤服用歴管理指導料 調剤薬剤管理指導加算】 調剤後薬剤管理指導加算30点

服薬管理指導料 調剤後薬剤管理指導加算】
調剤後薬剤管理指導加算 60点

調剤後薬剤管理指導加算の見直し
厚生労働省「令和4年度診療報酬改定の概要(調剤)」を基に作成

地域において医療機関と薬局が連携して糖尿病治療薬(インスリンなど)の適正使用を推進する観点から、調剤後薬剤管理指導加算について、評価を見直した。改定前は30点だったが、改定後は60点に引き上げた。

調剤後薬剤管理指導加算は、調剤後に電話などにより、その使用状況や副作用の有無を患者に確認するなど、必要な薬学的管理指導を行うとともに、その結果などを保険医療機関に文書により情報提供をした場合に算定できる。

対象保険薬局は、地域支援体制加算を届け出ている保険薬局で、対象患者は、インスリン製剤またはスルフォニル尿素系製剤を使用している糖尿病患者であって、新たにインスリン製剤などが処方されたもの、またはインスリン製剤などに係る投薬内容の変更が行われたものとなっている。

 中医協総会で保険医療機関が感じるメリット説明も

糖尿病治療薬を巡っては、2021年10月22日に開かれた中央社会保険医療協議会の総会で、糖尿病患者のフォローアップを薬局に指示した場合、保険医療機関が感じるメリットとして、「患者が正しく使用できるようになった」「アドヒアランスが向上した」「服用等の状況の報告が診療の参考になった」といった回答が多かったことを厚生労働省が説明。論点として「調剤後のフォローアップにより患者の状況等を把握し、保険医療機関に情報提供を行った場合の評価」を挙げていた。

 服薬情報等提供料3を新設

(新)服薬情報等提供料3

50点 (3月に1回に限り)

厚生労働省「令和4年度診療報酬改定の概要(調剤)」を基に作成

服薬情報等提供料について、医療機関からの求めに応じて、薬局において入院予定の患者の服用薬に関する情報などを一元的に把握し、必要に応じて持参した服用薬の整理を行うとともに、医療機関に対して、当該患者の服薬状況などを文書で提供した場合の評価として「服薬情報等提供料3」(50点、3月に1回に限り)を新設した。これらの内容などについて薬剤服用歴に記録することなどが算定要件となっている。

 多種類の薬剤投与患者への服薬管理支援の評価新設

多種類の薬剤が投与されている患者または自ら被包から取り出して服用することが困難な患者に対して、医師の了解を得た上で、薬剤師が内服薬の一包化や必要な服薬指導を行い、当該患者の服薬管理を支援した場合の評価を新設した。これに併せて、調剤料の一包化加算を廃止した。

改定前 改定後
【外来服薬支援料】
185点
1 自己による服薬管理が困難な患者もしくはその家族等または保険医療機関の求めに応じて、当該患者が服薬中の薬剤について、当該薬剤を処方した保険医に当該薬剤の治療上の必要性及び服薬管理に係る支援の必要性を確認した上で、患者の服薬管理を支援した場合に月1回に限り算定する。
2 患者もしくはその家族等または保険医療機関の求めに応じて、患者またはその家族等が保険薬局に持参した服用薬の整理等の服薬管理を行い、その結果を保険医療機関に情報提供した場合についても、所定点数を算定できる。
3 区分番号15に掲げる在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者については、算定しない。

(参考)
【調剤料 一包化加算】
2剤以上の内服薬または1剤で3種類以上の内服薬を服用時点ごとに一包化を行った場合には、一包化加算として、当該内服薬の投与日数に応じ、次に掲げる点数を所定点数に加算する。
イ 42日分以下の場合 投与日数が7またはその端数を増すごとに34点を加算して得た点数

ロ 43日分以上の場合240点

【外来服薬支援料】

外来服薬支援料1185点

外来服薬支援料2

イ 42日分以下の場合

投与日数が7またはその端数を増すごとに34点を加算して得た点数

ロ 43日分以上の場合240点

[算定要件]
1 1については、自己による服薬管理が困難な患者もしくはその家族等または保険医療機関の求めに応じて、当該患者が服薬中の薬剤について、当該薬剤を処方した保険医に当該薬剤の治療上の必要性および服薬管理に係る支援の必要性の了解を得た上で、患者の服薬管理を支援した場合に月1回に限り算定する。ただし、区分番号15に掲げる在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者については、算定しない。
2 1については、患者もしくはその家族等または保険医療機関の求めに応じて、患者またはその家族等が保険薬局に持参した服用薬の整理等の服薬管理を行い、その結果を保険医療機関に情報提供した場合についても、所定点数を算定できる。
2については、多種類の薬剤を投与されている患者または自ら被包を開いて薬剤を服用することが困難な患者に対して、当該薬剤を処方した保険医に当該薬剤の治療上の必要性及び服薬管理に係る支援の必要性の了解を得た上で、2剤以上の内服薬または1剤で3種類以上の内服薬の服用時点ごとの一包化及び必要な服薬指導を行い、かつ、患者の服薬管理を支援した場合に、当該内服薬の投与日数に応じて算定する。
厚生労働省「令和4年度診療報酬改定の概要(調剤)」を基に作成

改定前の外来服薬支援料の評価は185点のみだったが、これを同1(185点)、同2の「イ 42日分以下の場合 投与日数が7またはその端数を増すごとに34点を加算して得た点数」と「ロ 43日分以上の場合 240点」に区分した。

同2については、多種類の薬剤を投与されている患者または自ら被包を開いて薬剤を服用することが困難な患者に対して、当該薬剤を処方した保険医に当該薬剤の治療上の必要性や服薬管理に係る支援の必要性の了解を得た上で、2剤以上の内服薬または1剤で3種類以上の内服薬の服用時点ごとの一包化や必要な服薬指導を行い、かつ、患者の服薬管理を支援した場合に、当該内服薬の投与日数に応じて算定できるようにした。

 服用薬剤調整支援料2、実績に応じた評価に変更

改定前 改定後
【服用薬剤調整支援料】

服用薬剤調整支援料2100点

【服用薬剤調整支援料】
服用薬剤調整支援料2

イ 別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険薬局において行った場合110点

ロ イ以外の場合90点

[施設基準]

重複投薬等の解消に係る実績を有していること。

厚生労働省「令和4年度診療報酬改定の概要(調剤)」を基に作成

服用薬剤調整支援料2について、減薬などの提案により、処方された内服薬が減少した実績に応じた評価に変更した。改定前の服用薬剤調整支援料2は100点だったが、これを「イ  別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険薬局において行った場合」(110点)と「ロ イ以外の場合」(90点)に区分し、施設基準を「重複投薬等の解消に係る実績を有していること」とした。

重複投薬やポリファーマシー、残薬などへの対応に係る評価を巡っては、2021年10月22日に開かれた中央社会保険医療協議会の総会で、厚生労働省が論点を示し、「保険薬局における重複投薬の解消を推進する観点から、服用薬剤調整支援料の在り方について、どのように考えるか」としていた。


【参考にした厚生労働省の資料(2022年6月16日時点)】
個別改定項目について
 https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000905284.pdf
令和4年度診療報酬改定の概要(調剤)
 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000911825.pdf
令和4年 厚生労働省告示第54号 別表第三(調剤点数表)
 https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000907836.pdf
令和4年3月4日保医発0304第1号 別添3(調剤点数表)
 https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000923500.pdf
令和4年3月4日保医発0304第3号
 https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000941225.pdf
中央社会保険医療協議会総会(第492回)調剤(その2)について(総-2)
 https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000846287.pdf
中央社会保険医療協議会総会(第500回)調剤(その3)について(総-3)
 https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000858717.pdf

執筆:CBホールディングス CBニュース編集部

※診療報酬改定に係る詳しい内容はこちらをご確認ください

本コンテンツは、厚生労働省の関連通知、疑義解釈資料(事務連絡)などをもとに作成しております。