どんな薬?

どんな薬?

イブトロジーの作用としくみ

イブトロジーは、ROS1融合タンパクのはたらきを抑えることで、がん細胞の増殖を抑えたり、がんの進行を遅らせたりすることが期待されるお薬です。
ROS1融合タンパクは、ATP(アデノシン三リン酸)と呼ばれる物質がエネルギー源となり、細胞をがん化・増殖させます。イブトロジーは、ATPがROS1融合タンパクとくっつくのを防ぐことで、がん細胞の増殖を抑えると考えられています。

ROS1融合タンパクが細胞をがん化・増殖させるしくみ

イブトロジーががん細胞の増殖を抑えるしくみ

イブトロジーの治療の対象となる方

イブトロジーによる治療の対象となるのは、ROS1融合遺伝子が陽性と診断された非小細胞肺がんがあり、手術(切除)ではがんの治療が難しいと判断された患者さんです。
ROS1融合遺伝子が陽性であるかは、コンパニオン診断と呼ばれる検査によって判定します。

ATP(アデノシン三リン酸)

体内においてタンパク質などにエネルギーを伝達・供給する(エネルギー源となる)はたらきのある物質のことです。

非小細胞肺がん

「肺がん」はがん組織の特徴(組織型)によって「非小細胞肺がん」と「小細胞肺がん」に分類されます。非小細胞肺がんはさらに「腺がん」、「大細胞がん」、「扁平上皮がん」に分けられ、それぞれの組織型によってがんが発生しやすい部位、転移のしやすさ、進行の速さなどが異なります。

コンパニオン診断

特定のお薬を使用できるかを確認するために、治療を始める前に実施される検査のことです。